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今日は、明日からの出張に必要なものを
買いに出かけたついでに、
神保町の古本屋街に立ち寄りました。

最近は、本屋さんに行っても
あまり面白い本がないけれど、

古本屋さんは、
長年、読み継がれる本が
並んでいるので、
次々に興味を惹かれてしまう。

そんな中で、ふと手にとった一冊は、

「仏教の宇宙性」。

薄くて、汚れているのに・・800円。
ちょっと高いのでは?と思いつつ、
ぱらぱらとめくってみた。

仏教の中道の実践について、
社会主義と資本主義の対立を例にして、
解説をしていたりして・・・
普通の仏教書とは、ちょっと趣が違う。

いつ、誰が書いた本なのかしら?

初版は、昭和33年7月。

私が手に取ったのは、同年9月の二刷のもの。

著者は、明治38年生まれの
寺本尊美(てらもと・たかよし)氏。

出版された昭和33年当時、
寺本氏は、安田生命の企画部長。

支社長や投資調査部長を経て、
企画部長に就任されたという経歴の持ち主で、
学生時代から仏教の研究を続け、
この本の出版が、実現したとのこと。

当時の社会の状況を引き合いに出しながら、
仏教の解説を展開するスタイルは、
とても読みやすいし、面白い。

そして、ふと気づいたのは、
その当時の社会の状況と今は、
あんまり変わらないということ。

以下は、追補の一部抜粋ですが、
つい最近の出来事そのものです・・・。

 仏を忘れた日本人

 戦後日本の社会には、凶悪犯罪が頻々と
 行われております。都会ではタクシーの運
 転手を背後から刺し殺して、わずかな売上
 げ金を奪うとか、またある地方では、実の
 わが子を毒殺して、保険金を搾取するとか
 ・・・・。とても人間のすることとは思えによ
 うな犯罪が、平気で行われるようになりました。
 (以下略)

資本主義の問題や国際政治の問題にも
触れていらっしゃいますが、その指摘も
まさに、今指摘されていることと変わらない。

数年前に、シューマッハの
「スモールイズビューティフル」を読んだときも、
レイチェルカーソンの「沈黙の春」を読んだときも、
同じような印象を受けました。

人間も社会も、なかなか変われない。

こうした書籍が出てから、半世紀経って
ようやく、環境問題、食糧問題、金融危機に直面し、
変化の兆しが見え始めてきたところ。

そう考えると、人間の人生って、短すぎる・・と
思ってしまいました。

生きている間に見ることができる社会の変化って、
どの程度のものなのだろうか。

でも、いつか、よき方向に社会は変わる。

そう信じて、その良き方向を考え、発信し、
そして自らも、その方向へと歩みを続けること
それが、人生なのでしょうか。

「諸行無常」。
一切のものは常に変化する

この言葉は、なんだか寂しい言葉だと
思っていましたが、

一切のものは良き方向に
変化する可能性があるのだと

希望に満ちた言葉として
受け止めるべきなのかもしれないと
思ったのでした。